アジラン: 2009年7月アーカイブ

皆既食の美しい姿を記録に残しておきたいと思う方もいるでしょう。
1眼レフでの本格的な撮影は、詳細を説明したよい本が出ているのでそちらを参照ください。

皆既日食を徹底的に楽しむためのDVD付きムック「皆既日食2009」
http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/mook_ec2009/index-j.shtml

さて、このツアーで所有者が一番多いだろうと思われるコンパクトデジカメ(以下コンデジ)での撮影ですが、まずは見ろ! 正直にいえばコンデジで撮影するより後日発売される皆既日食を特集した天文誌を買ったり、TV番組を録画したほうがよい。

特に初めて皆既食を見る方は、撮影まで欲張るとパニックになりやすく、
なんだかわからないうちに皆既食終了なることが多い。とにかく見ることを目標にして、撮影は二の次と思ってほしい。

取扱説明書をもう一度よく読む。

機種によってかなり使い方が違いここで説明するのは難しい。
ご自分のカメラの取扱説明書をもう一度よく読んでほしい。


特によく読んでもらいたいのは、
1)フラッシュの項目で発光禁止モード。
皆既食にストロボを使っても何の役にもたたない。かならず発光禁止にしておこう。

2)露出補正。
皆既食は露出の幅が大きくどんな露出でも何かしら写る。露出を変えると印象が大きく変わる。
その為、露出補正しながら撮ることになる。
露出を補正しながら連続で撮れる、ブランケット撮影機能がついていれば積極的に使おう。自動化できるものは使ったほうがいい。

3)風景モード・MFモード。
MFがついているカメラなら∞(無限遠)にしておこう。ない場合でも風景モードがある機種もある。

4)連写モード
ヘタな鉄砲も数打ちゃあたる作戦。とりあえず枚数を撮っておこう。
まずは説明書をよく読み、お手持ちのカメラの性能を知り、できることとできないことを把握しておこう。

5)ズーム
スペックの水増しの為?に、光学ズームのほかにデジタルズームというのが大抵ついている。
画質が悪化するので、後でトリミングするか、トリミングズームを使ったほうがいいのだけど、露出があわない・ピントがあわないなどの場合は使おう。
部分食など太陽がある程度の大きさで写ってないとAE(自動露出)やAF(オートフォーカス)がきかないことが多いからだ。


6)測光(露出制御)
コンデジだと調整できるものは少ない。もしついていれば、中央重点露光やスポット測光にしておこう。
露光エリアに太陽をいれれば、AE(自動露出)でも適正な太陽像が写せる。


部分日食を撮る。

太陽の欠けている姿は比較的容易に写せる。
部分食を見よう(1)で書いたようにピンホールの太陽像(ピンホールカードや木漏れ日など)をスナップすればいい。
直接太陽を撮るには減光フィルターが必要だが、間に合わせとして日食グラス越しに撮るという方法がある。
ただし日食グラスは肉眼観察用の為、窓が小さく導入が難しい、またコンデジでは望遠が100mm前後までのものが多く小さくしか写らない。
この小さな太陽に露出をあわせる為に、前出の露出補正の操作が必要となる。
ちなみに太陽像を画面いっぱいに撮るには、35mm換算で2000mmの望遠レンズ(実際は撮影用の天体望遠鏡)が必要になる。

参考サイト。
http://kanotuno.at.webry.info/200907/article_4.html


皆既食を撮る。

皆既を撮る場合は、暗所でのカメラの操作用にヘッドランプ、三脚とできたらレリーズ(リモコン。接続できる機種は少ない)が必要。
最望遠側にして(35mm換算で600mm程度がほしいところ。コンデジの望遠は最高で200mm前後。通常で100mm前後とかなり小さくしか写らない。なおデジタルズームは使わないほうがよい。トリミングズームは可)
露出は-2露出補正を基準にして、補正値を変えながらバシバシ撮っていくしかない。
広角の28mm以上がついているコンデジなら、皆既と地上の観測風景をローアングルで狙ってみるのも一考。

いずれにしろ暗所でのカメラ操作となるので事前に暗所での操作に慣れておく必要がある。
慣れない暗所での操作は思いのほか手間取る。見るだけなら余裕のある6分間だが、撮るとなると短くあっという間に終わってしまう。

繰り返しになるが、とにかく見ることを目標にして、撮影は二の次でよい。
撮れたらラッキー程度に思って、三脚に固定して太陽を真ん中に入れたら、あとは皆既食を眺めつつ
ノーファインダーでシャッターを押すのをお勧めする。



menubotton.jpgメニューボタン
コンデジは意外と多機能。使っていない機能も多いはず。
まずは、説明書をよく読んで自分のカメラの性能を知ることだ。

 

 

 

hakkokinshi.jpg発光禁止と露出補正。

最低でもこの二つの機能の使い方は憶えておきたい。

 

 

 

taiyoookisa.jpgコンデジで太陽の大きさ。
コンパクトデジカメでは、望遠でも100mm前後のものが多く太陽を大きく写せない。
また逆光の液晶ファインダーはみずらく、撮れてるかどうかかなり怪しいので連写モードで枚数を撮っておこう。


 

 

nisshokuglass.jpg日食グラス越しに撮る。

部分食はフルオートのコンパクトデジカメは、露出補正をしてもデジタルズームを使っても撮れない場合が多い。
そんな時は日食グラスを離して上の写真のようにして撮ってみると案外うまくいく。もちろん露出補正は必要。

 

 

 

双眼鏡を持ってゆこう

部分食を見よう(1) ~ピンホールで遊ぼう~

部分食を見よう(2) ~日食データ~

皆既日食を楽しむ

番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

山内壮介

 

太陽が細くなるにつれ加速的に欠けていく(ような気がする)。緊張と期待はたかまり、いよいよその時を向かえる。
注意して欲しいのは、皆既になるまで日食グラスを外さないで欲しい。双眼鏡で見るのも厳禁!
たとえ糸のように細い太陽でも太陽の光は強烈で危険! 目を傷めます。悪くすると失明の恐れがあります。
じゃあどのタイミングで外せばいいのだろう?

大丈夫、皆既になった瞬間に会場全体に響く歓声が沸き起こるはず。
その声を聞いてからゆっくり日食メガネをはずせばいい。あせることはない。今回の皆既は約6分もあるのだから。
ここであせるとろくなことがない。異様な雰囲気にのまれないように一息ついてからゆっくり落ち着いて皆既食を見よう。

皆既になったことを確認したら、双眼鏡を向けてみよう。見聞きした皆既食をはるかに越えた姿があなたを待っている。
筆舌に尽くしがたい光景が目に飛び込んでくる。実際に皆既食を見ると写真とはまったくの別物であることに驚かされる。
写真や映像では、明るい紅炎から淡い外部コロナまで極端な露出差があり表現できないためだ。(デジタル時代になり、露出の違うカットを重ね合わせる手法で表現できるようになってきた)
そして皆既食が見る現象でなく感じる天文現象であるからだ。
天空の夜、夕焼けの地平。下がる気温・・・・皆既食の独特の雰囲気は映像には残せない。地上で見ることのできる最も劇的な自然現象を、ぜひ五感で感じて欲しい。

皆既食をみる

最初に見てもらいたいのは、黒い太陽の縁に真紅に輝く紅炎(こうえん=プロミネンス)だ。
よほど大きな紅炎が出現していれば別だが 皆既食の最大時刻の前後では月に隠されてしまうからだ。
皆既の終わりが近付いてくるとまた見え始める。

紅炎の外側には、真珠色に輝くコロナが広がっている。写真では布が広がった様な感じだが、
実際に見てみると細かい流線で構成されているのがわかる。コロナは外にいくほど淡く暗くなってみづらくなっていく。
現在の太陽は活動の弱い時期(極小期)で徐々に活動が活発になりつつある。このような時期には、蝶型の太陽の翼のようなコロナが見える。

当日まで、どんなコロナがみえるか双眼鏡で見える大きさの紅炎があるかはわからない(^^;
当日に紅炎が見えるかは運次第。おおきな紅炎が見えるように祈ろう。
ある程度の予測は、太陽観測衛星で知ることができる。

http://sohowww.nascom.nasa.gov/data/realtime/realtime-update.html

皆既中は太陽にばかり目がいってしまうが、双眼鏡をはずして一息ついて周りを見渡してみよう。
あたりは一面の闇・・・と思ったら意外と明るい(笑)
皆既中の暗さは満月の晩くらいの明るさ(日没後30~40分後くらいの明るさ)といわれている。
これに都市部の光害が加わりそれほど暗くならないかもしれない。それでも明るい星が見えている。
太陽の傍の輝星は水星だ。一番目立つのは頭上の金星。次は南天のシリウス(天狼星)だ。
地平は360度夕焼けである。その夕焼けが太陽に向かって徐々に暗くなっている不思議なグラデーションをしている。
なお暗いといっても細かい作業(カメラ操作など)をしなければライトの必要はないだろう。

皆既も終わりの時刻が近づいてきた。ダイヤモンドリング。悲鳴と歓喜が入り混じった声が上がる。
一瞬の閃光が皆既食の終わりを告げる。

diamondling.jpg双眼鏡で見ていいのはダイヤモンドリングまで。すぐに双眼鏡を目から離そう。
みるみるうちに太陽の縁が現れ危険! 悪くすると失明の恐れがある。


明るさを取り戻した会場に、あれはいったいなんだったのか。白昼夢のような、狐にバカされたような感覚になる。
そして激しい脱力感が襲うが、残りの部分食を存分に楽しもう。
間違っても、日食ファンの会話に聞き耳を立ててはいけない。
シャドーバンドがうんぬん。あのプロミネンスがね。来年はタヒチ-イースタ島だね・・・・。
え? なにそれ見てないよ! え!? 来年もあるの? と思ってしまったら大変だ。

1度見ればいいやが、もう1度見たいに変わってたら要注意。
皆既日食のたびに遠征しないとならなくなる皆既日食病という恐ろしい病気です(^^;


双眼鏡でよりよく見る。

基本的な操作(目幅を合わせる、ピントを合わせる)は双眼鏡の説明書を読むか、
下記サイトを参考にしてください。

AstroArts 双眼鏡の使い方 。
http://www.astroarts.co.jp/alacarte/binoculars/bino-j.shtml
つるプラ/双眼鏡で天体観測をしてみよう。
http://homepage2.nifty.com/turupura/observe/start_sougan.htm

薄暗い中での操作は、慣れないと意外と手間取るもの。対象を導入(双眼鏡の視野に入れること)するのも昼間とは勝手が違います。
本番で慌てないように、今のうちに暗所での使い方になれておきましょう。

さて双眼鏡でよりよく星を見るためには、体を安定させることが大事です。たとえ、三脚に固定した場合でも頭がグラグラしていては細かいところが見えません。
立っているより、座った方が体が安定します。座っているより寝転んで見たほうがより楽な姿勢で見ることができます。
双眼鏡で天体観測をする時は、イスや寝転ぶためのシートと枕(コンビニ袋に衣類を詰めたものなど。見ている角度を調整するのに使う)は必需品です。
さて、今回の日食に当てはめると、皆既食での太陽高度が約56°と中空よりやや高い位置にありますので座ってみた方が楽でしょう。
寝転んで見る場合、芝の張られグランドでゴム製のトラックなのでシートは必要ないかもしれません(ビニールシートが1枚あるといろいろな場面で役に立ちます)。
ただ真夏の太陽の照り返しや暑くなっている地面を考えると、寝転んでみるよりイスがベストでしょう。
高度が高いので背もたれ付といいたいところですが、持ち運びを考えると、たたんだ時に折りたたみ傘程度になるハンディチェアが便利そうです。

なお、「闇に目を慣らす。快適服装。楽な姿勢」の三つは、星を見る時の一番重要な基本です。
帰ってから双眼鏡で星も見てみたいと思ったら、思い出してください。

seizu.pngCopyright 2009 AstroArts Inc. All rights reserved.

seizu2.pngCopyright 2009 AstroArts Inc. All rights reserved.

今回の皆既食はかに座でおこる。太陽の近くには水星がいる。
一番目立つのは頭上で巨光を放つ金星。
南の空には冬の星座が並ぶ。一等星が多い賑やかな領域なので何個かの星を見つけることができるだろう。




prominance.jpg皆既中のプロミネンス(紅炎)。

皆既の開始直後と終了前に目立つのが真っ赤な紅炎だ。
見えるどうかは運次第(^^;
肉眼では、真紅というよりややピンクがかった色に見える。



corona.jpg皆既中のコロナ。

実際に見てみると細かい流線で構成されているのがわかる。
コロナは外にいくほど淡く暗くなってなっていく。






双眼鏡を持ってゆこう

部分食を見よう(1) ~ピンホールで遊ぼう~

部分食を見よう(2) ~日食データ~

皆既日食を楽しむ

番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

(山内壮介)

さてピンホールで遊んでいるうちに、太陽もづいぶん欠けてきました。

食分50%あたりまではそれほど変化を感じません、更に欠けるとはなんとなく灰色がかったサングラス越しの風景のような、日の光に力ない風景に変わってきます。
特に空の青さが増してきていて、普段見ている空色でなく群青色に、食が進むにつれより深い紺色に変わっていきます。

 

80%を越えてくると頭上に金星がそろそろ見え始めます。
また、気温も数度下がっていたり、動物や昆虫がいつもの昼間とは違う行動がみられかもしれません。住んでいる場所なら、これらの変化に気がつくのでしょうが、旅行者には比べようがありません。

 

参考までに真夏に75%の部分食があった時は、ミンミン蝉が鳴きやみ、ヒグラシの声に変わりました。気温も下がったのが体感でき、特に空の蒼さが印象に残っています。

 

90%を越えてくると晴れていても暗い曇天のようになり、薄暗く異様な雰囲気になってきます。
皆既への期待と緊張が高まっていきます。
ここまで細くなると直接みてもいいやと思いがちですが、<b>部分日食の間は絶対直接太陽を見ないでください。</b>


●部分日食観察の参考になるサイト。

国立天文台:日食を観察する方法
http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/obs.html
世界天文年2009 日食観察ガイド
http://www.astronomy2009.jp/ja/webproject/soecl/howto.html#glass

 

nisshoku1.png日食進行図

開始から約20分ごとの進行図。
ステラナビゲーター8で作成しました。
Copyright 2009 AstroArts Inc. All rights reserved.
http://www.astroarts.co.jp/index-j.html

 


nisshoku2.pngステラナビゲーター8で作成しました。
Copyright 2009 AstroArts Inc. All rights reserved.

食分が80%を越えてくると頭上に金星がそろそろ見え始めます。

 

嘉興市の日食のデーター

緯度:30.744 経度:120.703 標高: 7.0 標準時:8

 時刻 食分 太陽高度
08:22:15 0.000 食の始め 39.5
08:40:00 0.254 43.3
09:00:00 0.532 47.6
09:20:00 0.802 51.9
09:34:56 皆既食の始め    55.0
09:37:53 皆既食の最大 55.7
09:40:52 皆既食の終り 56.3
10:00:00 0.753 60.3
10:20:00 0.500 64.5
10:40:00 0.250 68.5
11:00:16 0.000 食の終り 72.3

※国立天文台暦計算室を利用し作成しました。
http://www.nao.ac.jp/koyomi/koyomix/eclipsex_s.html

※月縁補正はされていません。
月の縁は意外とでこぼしています。その為、月の谷間から太陽の欠片が見えて、実際の始終の時刻と数秒ほど誤差があります。

※座標データーはグーグルマップによるものです。現地測定値ではありません。

※世界標準時から+8時間で計算してあります。サマータイムや地域標準時ではありません。ちなみに日本時間は+9です。

 

双眼鏡を持ってゆこう

部分食を見よう(1) ~ピンホールで遊ぼう~

部分食を見よう(2) ~日食データ~

皆既日食を楽しむ

番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

(山内壮介)

皆既ばかりじゃなく、全般を通して見てやると気持ちが盛り上がってきます(笑)
段々と細くなる太陽を見ていると緊張感もたかまってきますよ。


皆既が終わった後も余韻を楽しむように復元していく太陽を見てやりましょう。
特に皆既が終わると どっと脱力してそこで終わりにする方が多いようですが、せっかく上海まで出かけて見ているのですから、できれば部分食の最後まで見てやりましょう(^^;

ちなみに上海で食が終わるころ、日本では皆既の時間です。
地球上を移動していく月の影に思いをはせると感慨深いものがあります。

 

日食を全部見ると約2時間半かかります。最大の敵は真夏の太陽です。
帽子をかぶったりこまめな水分補給、ゆったりとした風通しのよい服など日射病や熱中症にならないように注意してください。
半ズボンやTシャッなどは一見涼しそうですが、肌を直射日光にさらし続けるのは思いのほか体力を消耗します。日焼け止めは必須です。

 

さて経過を見るためには、プレゼントの日食グラスを使用します。
ただし双眼鏡などに日食グラスを取り付けて見るのは、想定外の使用方法なので絶対やめてください。

 

皆既日食のが始まるまで約1時間前から太陽はかけ始めます。
観測は天文ファンにまかせて、適当に休みながらつまみ食いならぬつまみ見しながら遊んじゃいましょう。

 

ピンホールで遊ぼう。

日食グラス以外にも安全に太陽を見る方法があります。休憩室や日陰でガジェット(観測機)を作って遊びましょう。

用意するのものは、ボール紙・紙筒(箱)・押ピン・カッター(はさみ)・コンビニ袋(白色のもの)・のり・輪ゴムです。

 

ピンホールカメラ(針穴投影機)

厚紙など適用な大きさに切って、押しピン(画鋲)で、小さな穴(ピンホール)をあけて、白い紙に太陽を映して見る方法です。
穴の開いた紙とスクリーンになる白い紙があれば簡単にできて安全に見ることができます。

太陽像を綺麗に映すには、綺麗な針穴(真円に近く、縁がぎざぎざしていない穴)を作るのが大事です。
押しピンで開けた穴の裏側は、飛び出てギザギザしてますので、紙やすりやカッターでバリを落としておきましょう。

現地で綺麗な穴を作るのは難しいかもしれないので、ピンホールカードを1枚試しに作って持っていってください。
また出来合いのものでは、図書カードやテレホンカードなどに開いているパンチ穴が利用できます。

またカードに文字を書いて、適用な間隔で穴を開けていくと太陽の形の文字が投影できるので、ぜひ作って写真に撮っておくとよい記念になりますよ。

このピンホールカードを利用して、ピンホールカメラ(針穴投影機)を作ってみましょう。

ポテトチップスの筒やお菓子の箱、牛乳パックなど、なければパンフレットを丸めて筒を作ります。

片方にピンホールカードを張るつけます。もしくは直接穴をあけてください。
紙を丸めて作った筒の場合は、カップ麺の銀紙の蓋などを輪ゴムで止めるといい穴が作れます。
アルミホイルでもかまいませんが、穴が変形しやすいので注意深くピンを刺してください。
もう片方は、適当な大きさに切ったコンビニ袋(白色のもの)を輪ゴムで止めれば完成です。

筒の長さは長いほど大きな太陽像になります(ただし暗くなります)ので、いろいろ工夫してみてください。

他にもいろいろな作り方がありますので、下記のサイトも参考にしてみてください。

世界天文年2009 日食観察ガイド :ピンホール工作
http://www.astronomy2009.jp/ja/webproject/soecl/howto_pin.html

自分で作る以外にも、いろいろなものでピンホールの日食を見れます。
木陰を見てみると木漏れ日がちゃんと欠けた太陽の形をしているのに気がつくでしょう。

またクラッカーや麦わら帽子などでもピンホール像を楽しむことができます。

意外と手もちぶさな部分食ですので、前半はピンホール作り、後半はピンホール探しとかに振り分けておくと欠けはじめから復円まで飽きることなく見ることができます。

 

「ピンホールカードの作り方」

R0015123.JPG

●用意するもの
用意するものは、ボール紙・押ピン・紙やすりだけ。
出来合いのものとしては、テレホンカードのパンチ穴が利用できます。


作り方

R0015125.JPG

適当な大きさに切ったボール紙を、
コルクボードや古雑誌などを当て押しピンで穴を明けます。

 

R0015126.JPG
このままでもいいですが、バリはとっておきましょう。
太陽像を綺麗に映すには綺麗な針穴を作るのが大事です。

 

R0015127.JPG
押しピンで開けた穴の裏側は、飛び出てギザギザしてますので、
紙やすりやカッターでバリを落としておきましょう。

 

R0015083.JPG
白い紙に投影して見みるとちゃんと太陽像になっています。
写真はテレホンカードを利用して、ホワイトボードに投影しています

 

R0015147.JPG
カードに文字を書いて、適用な間隔で穴を開けていくと太陽の形の文字が投影できる。

紙に投影したものと人物をスナップすれば日食の記念写真が撮れる。
いい加減に開けた穴なので、太陽像の大きさや形もいい加減に写っている。

 

「日食用針穴投影機」ピンホールカメラ(針穴投影機)

R0015108.JPG
●用意するもの。

1)長い筒や箱。
ポテトチップスの筒やお菓子の箱、牛乳パックなど、なければパンフレットを丸めて筒を作ります。

2)ピンホールカード。
厚紙やカップ麺の銀紙の蓋などに押しピンで穴を開けたもの。

3)投影スクリーン。
白色のコンビニ袋を適当な大きさに切り抜いたもの。もしくはトレッシングペーパーなど。

他に押しピン・カッター(はさみ)・輪ゴム・のり。


R0015118.JPG
筒や箱の底に押しピンで直接ピンホール(針穴)を開けてもよい。
ピンホールを後付けの場合は、底に適当な逃がし穴を開けておく。
牛乳パックは綺麗な穴が開かないので、ピンホールカードを張るつける方法にした。

 

R0015132.JPG
ピンホールカード以外ではカップ麺の銀紙の蓋などを輪ゴムで止めて押しピンで穴を開けるとよい。
写真例はアルミホイル。アルミホイルは穴がすぐ変形するので意外に難しい。

 

R0015111.JPG
白色のコンビニ袋を適当な大きさに切り抜いたもの(もしくはトレッシングペーパーなど)を開口部に輪ゴムで止めれば完成。

 

R0015115.JPG
ついでなので名前をつけてあげよう。ペイントして仕上げてみよう(笑)
日食太郎(あ、安易だ(^^; 完成

 


R0015114.JPG
太陽に向けて後ろから見れば太陽像を観察できます。
太陽に向ける時に直接太陽を見ないように注意してください。
筒の長さを長くすると太陽像も大きくなります(ただし暗くなります)

参考
http://www.geocities.jp/kanotuno/yamanon/pinhole.htm

 

双眼鏡を持ってゆこう

部分食を見よう(1) ~ピンホールで遊ぼう~

部分食を見よう(2) ~日食データ~

皆既日食を楽しむ

番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

(山内壮介) 

R0013324.jpg太陽や月の見かけの大きさってどれくらいだと思いますか?

実際に試してみましょう。用意するのは5円玉1枚です。そうか5円玉の大きさか~と思ったら大間違いです。なんと5円玉の穴の大きさと一緒です。 え!? そんなに小さくないと思った方もいるでしょうけど
5円玉を持って、腕をいっぱいに伸ばした状態で、まんなかの丸い穴に入れてみてください。
ちょうどすっぽり穴の中に入いります。太陽を直視すのは危険なので見掛けの大きさが同じ月で試してください。出たばかりの月は大きく見えたりしますが、この方法で確認するといつでも同じ大きさです。

太陽と月の見かけの大きさが同じという偶然!? が皆既日食という現象をもたらしてくれます。肉眼ではいつでも同じ大きさですが、正確に観察するとわずかにその大きさが変化しています。特に月の大きさの変化は大きく約13%程度変わります。この月の見かけの大きさの変化が、太陽を全部隠す皆既日食と太陽がはみ出す金環日食の違いをうみます。(日食が起きる22日の月は本年の最近日/35万7464km、視直径33'23")

ちなみに日本では2012年5月20日に、九州から南東北の太平洋側で金環日食が見られます。

さて、月と太陽の意外な小ささに驚いたのではないでしょうか? なので、よりよく見るには双眼鏡があった方がより皆既日食が楽しめます。
皆既日食は肉眼で見るだけでもすばらしい現象ですが、双眼鏡を使えばコロナやプロミネンスなどのディテールが良くわかります。双眼鏡をお持ちならぜひ持っていくことを薦めます。もしなければ購入をお勧めします(小学校低学年だと双眼鏡を使うのがちょと難しいので単眼鏡がよい)。
ただし高倍率の双眼鏡。ズーム双眼鏡。色付きレンズ双眼鏡を購入してはいけません。

間に合わせで買うのなら量販店などで数千円で売られている、8×21(8倍 21mmと読みます。これは前者の数字が倍率、後者は口径を現しています)程度のものでもかまいませんが、見え味や操作性は劣ります(^^;
また粗悪品が多いので、店頭の見本品をのぞいて操作して見てから購入してください。


モヤがかかったように見える、左右の像が一致しないなど見て疲れる双眼鏡なら肉眼の方がましですから・・・。

いい機会なのでもう少しいい双眼鏡とお考えなら、倍率は5倍~8倍、口径は20mm~30mmの双眼鏡が最適で携帯にも便利です。

双眼鏡の最適倍率は8倍程度、高くても10倍あたりが限界で、これ以上の倍率になると三脚が必要(それでも20倍が限界です)になります。
倍率が高くなると手ブレでかえってみづらくなり、視野が狭く対象を視野に入れるが難しくなったり、レンズの収差も拡大したりと、欠点が目立つようになります。同じような理由で、ズーム双眼鏡もダメな双眼鏡です。

一つの目安としては、よく知っているブランドの低倍率(8倍前後)の双眼鏡を購入してください。
小型双眼鏡なら1万円前後で購入できます。なお眼鏡使用者はHiアイポイント(ロングレリーフ)のものを購入してください。

また左右の視力が大きく違う(いわゆるガチャ目)場合(メガネの度が違うので、左右の像が合致せづ不快になる)や極度の近視などの場合は、裸眼の時に無限遠でピントがでるか店頭で確認してください。


帰ってから双眼鏡で星を見たいと思われているなら、手荷物にはやや大きいですが口径が3cm以上で5cm程度。倍率は6~8倍程度の双眼鏡を購入してください。
4cm前後の双眼鏡は星を見るのは十分な性能を有し、大型の星団星雲など楽しめる天体も多く、星空散歩や星空入門に最適です。
これ以上大きな双眼鏡になると三脚が必要になります。注意点は上の小型双眼鏡と同じです。子どもや女性の方は、重くないか手に余らない(しっかり持てるか)かを確認してください。

星は見ないけど、虫や花、美術館・お寺などが好きな人は、近距離双眼鏡をお勧めしておきます。
双眼虫眼鏡? とでも言うべき製品で、50cmまでピントが合います(もちろん無限もちゃんとでます)。これはPENTAXのPapilioだけなので選ぶのが非常に楽です(笑) 6.5倍と8.5倍の2種類ですが、6.5 Xの方をお勧めします。

なお、部分日食の間は絶対に双眼鏡で直接太陽を見ないようにしてください。

 

 ●様々な小型双眼鏡
iroiro.jpg口径20mm前後の小型双眼鏡。星を見るには適さないが皆既日食を見るのには最適。
荷物を減らしたい時や小さな子どもが使うなら、双眼鏡より単眼鏡がお勧め。
写真の双眼鏡は昔ながらのポロ型だが、外観がストレートのダハプリズム型もある。

スマートだがポロ型に比べて高くなる。


●星を見るのに適した双眼鏡とミニボーグ
hoshi.jpg帰ってから星も見てみたいという人は、口径30mm以上の双眼鏡がよい。
星がよく見える双眼鏡は倍率でなく口径で決まるからだ。
写真下は私の提案から生まれた旅に持っていける天体望遠鏡のミニボーグ。
残念ながらすべて品切れで納品は日食後(^^;

 

●倍率と口径
bairitsu.jpg双眼鏡の後ろに書いてある数字、たとえば7×50は 7倍 口径50mmです。これは前者の数字が倍率、後者は口径を現しています。
FIELDは視野(見える範囲)を現し、同じ倍率なら広い(数字が大きい)方が迫力があります。広視野タイプはWIDEFIELD(WF)と記載されている。
なお眼鏡使用のかたは、Hiアイポイント(ロングレリーフ)のものを購入してください。

 

●インフォメーションデスクから
日本航空の場合、機内への持込荷物制限は、大きさ縦横高さの合計が115cm以内でかつ幅55cm奥行き25cm高さ40cm以内、重さは10kg以内となっております。

中国東方航空

中国国際航空

上海航空

全日本空輸

ノースウエスト航空

●参考サイト

買わないほうがいい望遠鏡・双眼鏡(β)
http://www.h2.dion.ne.jp/~kazuf/sao/machistar/gokuaku.htm

双眼鏡の選び方
http://binoculars.at.infoseek.co.jp/erabiindx.htm

旅した望遠鏡
http://www.geocities.jp/kanotuno/telescope/index.htm
アマゾン編
http://astore.amazon.co.jp/tabisurubouen-22

天体望遠鏡
http://kanotuno.at.webry.info/200706/article_10.html

 

双眼鏡を持ってゆこう

部分食を見よう(1) ~ピンホールで遊ぼう~

部分食を見よう(2) ~日食データ~

皆既日食を楽しむ

番外編---コンパクトデジカメで皆既日食・・・。

(山内壮介)

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